黄昏時に寄り添うセゾン

さくらブルワリーの「Twilight Saison」は、クラシック・セゾンの骨格に、フルーティーで爽やかな香りを重ねた一本だ。ビールデータベースでは、アルコール度数5%、IBU31、EBC7.9とされ、モルトにはPale Ale、Vienna、Wheat、ホップにはNelson Sauvinが使われている。

香りの印象は、スパイスを思わせる軽やかさに、白ぶどうを連想させる果実感が重なる構成。飲み口の後半にかけて余韻がふわりと残るため、名前の通り、夕暮れから夜に移る時間帯にゆっくり飲みたくなるタイプのセゾンといえる。

さくらブルワリーは2015年に岩手県北上市で製造を開始し、同年には直営店「ale house Robin Hood」もオープンした。ブルワリー名は、北上市の展勝地の桜に由来する。地元の名所や文化を手がかりにしたビールづくりを続ける一方で、英国出身のブルワーが本場英国スタイルを軸に仕込む点も特徴だ。

同ブルワリーは、展勝地の桜から採取した酵母を使う「さくらエール」や、地元の水源に着想を得た「天然水仕込羽山ラガー」など、地域性のある銘柄を展開してきた。「Twilight Saison」も、その流れの中で生まれた一本として見ると分かりやすい。季節感のあるセゾンを、北上のブルワリーらしい背景とともに楽しめる提案になっている。