1900年の川越から着想

埼玉県東松山市を拠点とするコエドブルワリーが、川越商工会議所の創立125周年を記念して「川越麥酒-Kawagoe Beer-」を醸造しました。担当醸造家の尾崎氏が、1900年頃の文献や当時のビール造りを調べ、「1900年の川越にブルワリーがあったなら」という好奇心から味わいを設計した限定品です。

商品はチェコラガーで、アルコール度数は5%。麦芽、ホップ(ザーツ、メルクール)を原料とし、350ml缶で展開されます。2025年開催のInternational Beer Cupでは、ボヘミアンスタイルピルスナー部門で銅賞を受賞しました。

再現ではなく、歴史を踏まえた再構築

尾崎氏によれば、川越麥酒は1900年頃のビールをそのまま再現したものではありません。川越商工会議所の歩みから浮かんだ「王道」「新進気鋭」「ダイナミック」というキーワードを、醸造工程と味わいに落とし込みました。

象徴的なのが、麦芽の一部を煮込んでから戻すデコクション製法です。一般的な糖化温度より高い100℃まで麦芽の一部を引き上げることで、優しく香ばしい麦の風味を生み出しています。そこにふんだんに使用したチェコ産ザーツホップの乾いた苦味とハーブのニュアンスを重ね、コクと苦味がほどよく調和する仕上がりを目指しました。

川越の食と楽しむ一杯

おすすめのペアリングとして挙げられているのは、川越らしい醤油の香ばしさを持つ料理です。鰻料理のコクや、「鰻おむすび」「う巻き」といった食べ歩きメニューには、ビールの麦の風味と苦味がよく合います。より気軽に楽しむなら、醤油だんごとの組み合わせも選択肢です。

川越近郊の酒販店のほか、尾崎氏が店長を務める川越駅西口のCOEDO KIOSKでも購入できます。歴史への想像力を起点に、チェコの伝統製法と川越の食文化をつないだ一杯です。