尾道ブルワリーが夏に合わせてオンタップするのが、セッションIPAの「瀬戸田ライムIPA」だ。アルコール度数は低めで、苦みも控えめ。IPAらしいホップの輪郭は残しながら、暑い日にグラスが進みやすいバランスにまとめている。

素材の核になるのは、生口島・瀬戸田とレモン色の橋でつながる高根島のライム。瀬戸内の景色を思わせる柑橘の香りを、ビールの個性としてきちんと落とし込んでいるのが特徴だ。今回はレシピを見直し、主ホップにニュージーランド産の「モトゥエカ」を採用した。ライムを連想させる香りで知られるホップを合わせることで、果実由来の明るさが一段と前に出た印象がある。

尾道ブルワリーは、尾道市久保の古い蔵を改装して醸造を行うブルワリー。夫婦で立ち上げた小規模な造り手として、土地の記憶が残る場所からビールを届けている。地域の素材を使いながら、飲み口はすっきりとした“おかわりしたくなる”方向へ寄せる姿勢は一貫しており、この一本もその考え方がよく表れている。店頭でのオンタップに加え、オンラインショップでも販売が始まっているため、夏向けのIPAを探している人は手に取りやすい。