ザーツの香りを引き出す実験的な仕込み

インクホーンブルーイングの新作「Goldcrest」は、シンプルな原料構成をベースに、仕込み方法でホップの存在感を高めたピルスナーだ。スタイルはPilsner、アルコール度数は5.0%。原料にはチェコ産ザーツと、同ブルワリーが普段から使用しているベースモルトのみを採用している。

香味の特徴は、ホップ由来のレモンバームやレモングラスを思わせる柑橘感。フローラルでハーバルなニュアンスが広がり、飲み口はドライ。苦味は強くなりすぎない、クリーンな仕上がりに整えられているという。

今回の仕込みでは、通常はインペリアルスタウトなどで用いる手法をピルスナーに応用。ひとつのバッチを2回に分け、1回あたりのモルト量と回収する麦汁を半分にする一方、ハーフバッチに投入するホップ量は通常のシングルバッチと同じにした。仕込み日に使うホップ量を実質的に増やすことで、ラガーらしい軽快さを保ちながら香りを強める試みだ。

インクホーンブルーイングでは、イタリアンピルスナーやWest Coast Pilsnerなどを除き、ラガー系のビールでドライホップを多用しないという。今回は、近年のザーツが比較的穏やかな香りと弱めの苦味を持つ印象から、使用量を増やしたときの変化を検証。効率面では手間のかかる方法ながら、その工夫に見合うフレーバーを引き出した。

酵母にはWyeast 2124を使用。メジロに醸造所を構えるインクホーンブルーイングらしい、伝統的なラガーの輪郭と実験的なアプローチを組み合わせた新作となっている。