受賞の概要


奈良醸造は、アメリカで開催された「World Beer Cup 2026」で、定番ビールのFUNCTIONがAmerican-Belgo-Style Ale部門、LIGHTHOUSEがSession Beer部門でそれぞれ金賞を獲得した。Session Beer部門での金賞は日本初で、アメリカ以外の国にメダルが渡ったのも初めて。さらに、日本のブルワリーとして複数部門で同時に金賞を受賞したのは、2010年以降では16年ぶりという。

2本の個性が評価された理由


FUNCTIONは、ベルギー系酵母とアメリカンホップを掛け合わせたアメリカン・ベルゴスタイルエール。ABV 6.0%、IBU 24で、柑橘や白ブドウを思わせる香りと、苦すぎない飲み口が特徴だ。クラフトビールの入り口としても受け入れやすく、それでいて香りの層は厚い。

一方のLIGHTHOUSEは、ABV 3.0%のマイクロポーター。低アルコールでも飲みごたえを出すために、複数種類のロースト麦芽を組み合わせ、カカオやコーヒーを思わせる香ばしさと多層的な味わいを実現した。温度が上がるにつれて、アーモンドのようなナッツ香も現れるという。軽さと奥行きの両立が、このビールの持ち味だ。

奈良から世界へ


奈良醸造は、奈良市を拠点に2018年から醸造を開始し、「ビールをえらぶ楽しみを!」を掲げて多彩なビールづくりを続けてきた。これまでに160種類以上を手がけ、酒蔵やレストラン、アーティストとのコラボレーションにも積極的だ。

地域性を大切にしながら、スタイルの幅を広げてきた同社にとって、今回の受賞はその姿勢が世界基準でも通用することを示した結果といえる。FUNCTIONの香りの豊かさと、LIGHTHOUSEの低アルコール設計。それぞれ異なる方向性のビールが同時に評価された点に、奈良醸造の醸造力の厚みが表れている。