奈良市の奈良醸造が、ベルジャンウィット「KUSANAGI」をリリースする。奈良醸造は、奈良を拠点に幅広いスタイルのビールを手がけるブルワリーで、同じベルジャンウィットの定番「PHILHARMONY」でも、奈良産の大和橘とレモングラスを使った個性的な表現を続けてきた。今回の新作は、その延長線上にありながら、静岡の素材と専門家とのコラボレーションを前面に出した一本だ。

今回の醸造に加わったのは、元サッポロビールR&D部門シニアフェローで、日本のビール科学を長く牽引してきた蛸井潔さんと、AOI BREWINGの醸造長を経て、現在は(株)BETで原材料セールスと技術アドバイザーを務める斯波克幸さん。ビールの研究と現場の両面に通じた2人との対話から、コリアンダーの産地による香りの違いに着目し、ブルガリア産コリアンダーを採用したという。

原材料は、静岡産の柑橘スルガエレガントとブルガリア産コリアンダー、そしてホップのAramis。モルトはPilsner Maltをベースに、フレーク小麦とフレークオーツを組み合わせている。スタイルはベルジャンウィットで、ABV 5.5%、IBU 14。ベルギー発祥の小麦ビールらしい軽やかさを保ちながら、素材の個性を丁寧に重ねた設計になっている。

テイスティングの印象は、まずベルジャンウィット酵母由来の穏やかなバナナ香が立ち、その後にスルガエレガントの明るい柑橘香、ブルガリア産コリアンダーがもたらすアニスのようなニュアンスが広がる。口当たりは小麦由来でなめらか。果汁の酸と果皮の苦みがホップの苦みと重なり、軽快さの中に輪郭が生まれる仕上がりだ。

販売形態は樽と350ml缶。業務向けEC販売は6月1日12時、一般向けEC販売は6月12日12時に始まる。素材の組み合わせと専門家の知見を生かした、奈良醸造らしいコラボレーションビールとして注目したい。