チェコの素材だけで仕込んだピルス

ヨロッコビール 岩瀬ブルワリーは、チェコ産の麦芽とホップのみで仕込んだ「Czech Pils」をリリースした。ブルワリーは神奈川県鎌倉市に拠点を置き、食事に寄り添うビールづくりでも知られる。

今回のビールについて同ブルワリーは、素朴な麦の旨みと、穏やかで心地よいホップが特徴だと説明している。いい意味で主張が少なく、ずっと飲めるような仕上がりを目指したという。ピルスナーらしい軽やかさの中に、原料由来の輪郭をきちんと感じさせる方向性だ。

ベネショフの麦芽に込めた視点

投稿では、使用している麦芽がチェコのベネショフで作られていることにも触れている。ブルワリー側は以前に現地を訪れたことがあり、プラハから電車で1時間ほどの小さな町を歩き、古い石造りの醸造所や、同じ敷地内で続くフロアモルティングの様子に強く印象を受けたという。

長く使われてきた建物や道具には、新しいものでは出せない美しさがある。そうした経験が、今回の「Czech Pils」の設計にもつながっているようだ。効率の良い現代的な製麦ではなく、麦そのものの味わいがビールになったときに感じられるようにしたい、という考え方が伝わってくる。

鎌倉から見るチェコのピルスナー

ヨロッコビール 岩瀬ブルワリーは、鎌倉という土地に根ざしながら、各地の醸造文化や原料の背景を丁寧に読み解くようなビールを送り出してきた。今回の「Czech Pils」も、単なる新商品というより、チェコの素材と伝統的なラガー文化への敬意を形にした一本といえる。

ピルスナー好きであれば、香りの強さや苦味の派手さだけでなく、麦芽の質感やホップの収まり方まで含めて味わいたいはずだ。鎌倉のブルワリーがチェコの原料でどうピルスを描いたのか。じっくり確かめたくなるリリースである。