うどんの端生地を、ビールの原料へ

神奈川・海老名市を拠点とするBetter life with upcycleが、はなまるうどんと組んで新作ビール「SANUKI 870 ALE」を送り出した。発表によると、このビールは、うどんづくりの工程で品質維持のためにどうしても発生する端生地を、麦芽の一部原料として活用して生まれたという。販売は6月25日からで、はなまるうどんの限定34店舗に限って店内飲食のみで提供される。Better life with upcycleのECサイトや自社店舗での販売は行わない。

うどん由来の白濁感と、ホップの香り

味わいの方向性も特徴的だ。記事では、グラスに注ぐと、うどん由来のやわらかな白濁感が現れるとしている。香りはアメリカンホップ由来で、シトラスやピーチを思わせる華やかな印象。口当たりは驚くほどなめらかで軽やかに仕上げつつ、心地よい苦味が広がり、最後にうどん由来のほのかな塩味が全体をすっきりと引き締める設計だ。素材の個性を隠すのではなく、ビールの表情として前面に出している点が面白い。

海老名発のアップサイクルブランドとして

Better life with upcycleは、もともとパンづくりを母体にしたブランドで、食品ロスに新しい価値を与える発想からプロジェクトを広げてきた。公式サイトでは、1923年創業のベーカリーをルーツに持ち、パンだけにとどまらないものづくりへ挑戦してきたことが紹介されている。海老名の拠点から、パンのミミや、今回のうどんの端生地のように、従来は活用先が限られていた素材に新しい役割を与える姿勢が一貫している。

今回の「SANUKI 870 ALE」も、単なるコラボ商品ではなく、食品ロス削減とおいしさの両立をビールでどう表現するかという問いに対するひとつの答えだ。限定流通ではあるが、アップサイクルをクラフトビールとして実感しやすい事例として注目したい。