新潟・佐渡市のトキブルワリーが、初のラガーとなる「Await v1.0」を発表した。スタイルはItalian Pilsner、ABVは5.5%。麦芽の旨味と、凛とした苦味のバランスを狙った設計が特徴だ。

同ブルワリーは、佐渡島の両津地区にある小さな醸造所から、限定商品として個性のあるビールを送り出してきた。公式サイトでも「ひとトキを潤す 一滴のクラフトビール」を掲げ、佐渡の自然や土地の空気感を背景にした醸造を続けている。今回の「Await v1.0」も、その姿勢が色濃く表れた一本といえる。

仕込みは厳しい寒さの2月に行い、佐渡に春が訪れるのを待って完成させたという。名前の「Await」には、非同期処理の完了を待つという意味が重ねられており、長い冬を越えて春を迎える佐渡の時間感覚と響き合う。あえてドライホップを行わず、ワールプール工程のみでホップのポテンシャルを丁寧に引き出した点も見逃せない。

香りで押すタイプというより、透明感のある飲み口の中に、麦芽の輪郭とホップ由来の苦味を静かに積み上げる構成だろう。雪解けを待つ山々のイメージを重ねた説明からも、派手さよりも輪郭の美しさを意識したラガーであることが伝わってくる。IPAやホッピーなエールとは違う、落ち着いた余韻を楽しみたい人に気になる新作だ。