滋賀県東近江市のフローラファーメンテーションが、京都の2050 COFFEEとのコラボビール「Cascara」を公開した。今回の仕込みは、コーヒー豆の製造過程で生まれるコーヒーチェリーの外皮と果肉を乾燥させたカスカラを使ったデュンケル。ビールとコーヒー文化をつなぐ一本として位置づけられている。

公式ブログによると、スタイルはDunkel w/ Coffee Cherry、アルコール度数は5.0%、IBUは25。モルトはPilsner malt、Wheat malt、Carafa I、Caramunich I、ホップはSpalter Select、Saaz、Waimeaを使用し、Batch No. 10として仕込まれた。カスカラは2050 COFFEEが選定したものを採用している。

味わいの方向性も明快だ。デュンケルらしいカラメル香と穏やかなロースト感を土台にしながら、カスカラ由来のチェリーや紅茶を思わせるアロマを重ねる設計。結果として、黒ビールの落ち着いた飲み口に、コーヒーチェリーならではの果実味と軽い甘酸っぱさが加わる。重さ一辺倒ではなく、香りの層で飲ませる構成になっている。

フローラファーメンテーションは、滋賀・東近江を拠点に「農と発酵が織りなす最高のビール」を掲げるブルワリー。麦やホップの栽培にも取り組みながら、地域の素材や生産者との接点をビールに落とし込んできた。今回のカスカラも、その姿勢がよく表れた事例といえる。

コラボ先の2050 COFFEEは、カスカラをサステナブルなコーヒー素材として扱い、甘酸っぱく鮮やかな風味を打ち出している。そうした素材観と、フローラファーメンテーションの発酵設計が重なったことで、コーヒーの副産物をビールの個性へと変える一杯が生まれた。クラフトビールとスペシャルティコーヒー、それぞれの文脈を知るほどに、飲み手の興味を引く仕上がりだ。