里武士・馬車道(神奈川・横浜市)が、新作ビール「Summer Chaser」を紹介した。スタイルはグリゼット、アルコール度数は4.0%。投稿では、店頭ですでに提供が始まっていることにも触れつつ、仕込みの背景を詳しく説明している。

きっかけになったのは、横須賀で農業をしている友人から届いた夏みかんだった。収穫では100kgを持ち帰るほどの量があり、ビールだけでなくRTDも含めて活用する前提で構想が広がったという。採れたての実は酸味と苦味がまだ強かったため、約1カ月寝かせて味のバランスを整え、その後に皮と果汁へ分けた。皮は一部を乾燥させ、一部はフレッシュのままビールに漬け込み、果汁はRTDに回した。

グリゼットは、ベルギーで農家や炭鉱労働者が夏の作業中に喉を潤すために飲んでいたとされる、セゾンに近いスタイル。セゾンよりやや低アルコールで、小麦のニュアンスが出やすいのが特徴だ。今回の仕込みでは、ベルギー産ピルスナーモルトをベースに、発酵はセゾンイーストを使用。初日はやや低温で始め、2日目以降は温度調整を止めて自然に温度が上がるようにした。

その結果、かなりドライでありながら、ベルギー産モルト由来の甘味や酵母の香り、乾燥させた夏みかん由来のマーマレードのような甘い香り、フレッシュな柑橘感が重なる仕上がりになったという。低アルコールでも水っぽくならず、軽快さと味わいの厚みを両立させた一本として、夏の始まりに合わせた提案になっている。