近江麦酒(滋賀県大津市)は、Instagramで「今月のビール」として`渋柿エール`を紹介した。ABV 5.5%、IBU 8、副原料は渋柿。名古屋の先輩から届いた渋柿を使って仕込んだ限定醸造で、まずはその素材感をそのまま受け止めた一本になっている。

投稿では、渋柿をビールにしたときにどう表情が変わるのか、仕込み前から手応えを探るような視点が印象的だ。名前だけを見ると強い渋みを想像しがちだが、近江麦酒はグラスに注いだときの柿らしい香りや、発酵を経た果実感に注目してほしいと伝えている。味わいを一言で断定するのではなく、飲み手が確かめる余地を残している点に、つくり手の姿勢が表れている。

近江麦酒は、小規模醸造所の中でも最小規模のナノブルワリーとして知られ、公式サイトでは「今月のビール」のような季節限定ビールを毎月の第1日曜日に販売開始すると案内している。少量生産だからこそ、地域の果実や野菜、麹などを使った実験的な仕込みが成立しやすい。今回も同じ渋柿を干して甘みを凝縮させた`干し柿ランビック`へ話題をつなげており、ひとつの素材から複数の味わいを引き出す近江麦酒らしさが見える。