アールブルワリー・セルフは、滋賀県蒲生郡竜王町にある体験型クラフトビール醸造所だ。蒲生野の湯の敷地内で、自分の手でビールを醸す体験を提供しており、公式サイトでは「提供するビールでたくさんの笑顔に出会う」ことを掲げている。

今回紹介された「いろんな節目に在るビール」は、その考え方を端的に表した言葉だ。公式の情報によると、事業を始めたマイスターが2006年ごろにドイツを訪れ、仕事終わりにホテルのバーで飲んだフランツィスカーナーの小麦を使ったヴァイスビールに強い印象を受けたという。バナナのような華やかな香りがきっかけとなり、以後は海外でも国内でもビールを追いかけるようになった。

当時は日常の一場面だった一杯が、振り返れば現在のビール事業へつながる節目になっていた。アールブルワリー・セルフは、そうした個人の記憶に残る時間や場所に寄り添うビールを目指している。ブランドのメッセージには、連続する日常の中にある節目の時間に、200年先もビールが在り続けてほしいという思いが込められている。

同醸造所の体験型サービスでは、利用者が15リットル分のビールづくりに関われる。液種の選定から麦汁づくり、3週間の発酵管理、充填までの流れが用意されており、完成後は瓶または樽で受け取れる。単に飲むだけでなく、つくる過程そのものを体験できる点が特徴だ。

自分で仕込んだビールを家族や友人と分け合う時間は、完成した一杯以上の記憶を残す。アールブルワリー・セルフが語る「節目に在るビール」は、そんな体験を通じて日常を少し特別に変える提案として受け止められそうだ。