新作の概要


ティールズ・ブリューイングは、2種類の柑橘を使ったセゾン「金柑&黄金柑セゾン」をリリースした。公表スペックはABV 5.5%/IBU 5。苦味を抑えた設計の中で、果実由来の香りと酸味、そしてセゾンらしいドライな飲み口を組み合わせる狙いが示されている。

原料の調達と狙い


今回の主役となる金柑は、沼津・戸田の畑で収穫した無農薬栽培のものを使用。ブルワリーによると、旬の金柑は甘みがある一方で渋みやえぐみも持つ個性的な素材で、その特徴をセゾンスタイルに重ねることで相性の良さを引き出したという。

一方の黄金柑は沼津産を採用。グレープフルーツを思わせる爽やかな香りと穏やかな酸味を活かし、金柑の強い個性を支える役割を担わせた。単に果実を足すのではなく、香りと味わいのバランスを整えるための設計が読み取れる。

仕込み工程のポイント


仕込みでは金柑をワールプール工程で投入し、さらに発酵タンクにもほぼ同量を漬け込んで香りを抽出。2月中旬に収穫した柑橘を使い、来店客とともに加工した素材で醸造した点も特徴だ。素材の鮮度だけでなく、ローカルコミュニティと接続したビールづくりが今回の背景にある。

ブルワリーの文脈


ティールズ・ブリューイングは静岡県三島市を拠点とする小規模ブルワリーで、1仕込み250リットルの設備で伊豆の果物や農作物を生かした醸造を続けている。併設パブ「TIELS TEA & TAPS」を運営し、地域の食や日常とクラフトビールを結びつけるスタイルが持ち味だ。

今回の「金柑&黄金柑セゾン」は、同ブルワリーが予告する柑橘シリーズの第1弾。続いて、ゆずヘイジーIPA、レモンゴーゼ、夏みかんを使った新作なども予定されており、2026年春以降のラインアップを占う起点になりそうだ。