軽井沢本通りで醸造所とタップルームを運営するカルテットブルーイングが、今年の周年記念ビールとして「Circular Spelt Ale」を発表した。スタイルはAmerican Blonde Ale、アルコール度数は5%。軽やかで飲みやすい設計のなかに、ブルワリーらしい素材の物語が込められている。

このビールのポイントは、自社の醸造工程で出たモルト粕を有機肥料として活用し、その循環の中で育てたスペルト小麦を使っていること。原料の一部がいったん畑に戻り、またビールとして醸されるという発想は、カルテットブルーイングのものづくりをよく表している。

醸造面では、Pomona酵母Ekuanotホップ由来の、桃を思わせる甘やかな香りとフレーバーが先に立ち、そのあとにスペルト小麦らしい穀物感が広がるという。苦味は控えめで、バランスのよい仕上がりを目指した一杯だ。周年ビールでありながら、派手さよりも飲み心地を重視しているのが印象的である。

カルテットブルーイングは、長野・軽井沢町に拠点を置くクラフトブルワリー。定番では「Quartet IPA」や「Resonance Wheat」などを展開しつつ、限定醸造やコラボレーションも積極的に行っている。周年記念ビールは、そうした日々の醸造の積み重ねを形にした一本として、ブルワリーの現在地を知るうえでも興味深い存在だ。