尾道ブルワリーが、季節限定の「ライムゴーゼ」をオンタップした。今回のレシピの核になっているのは、尾道に半世紀ぶりにできた製塩所が手がける「天空の塩パピタ」と、瀬戸内・高根島(こうねじま)のライム。ゴーゼらしい塩味の輪郭に、ライムの柑橘感を重ねた設計が特徴だ。

このビールの背景には、広島サミット時に持ち上がった「広島のブルワリーで平和のビールをつくろう」という呼びかけがある。尾道ブルワリーはその流れの中で“お清めの塩”という着想を得て、ライムゴーゼの醸造を決断。共同醸造そのものは実現しなかったが、結果として同ブルワリーには「ライムゴーゼ」という新たな季節ビールが残ったという。

先日には、呼びかけの中心だった宮島ビールの有本社長が来訪し、当時の経緯を振り返る場面もあった。単なる新作リリースにとどまらず、地域の記憶と人のつながりが味わいの背景にある一本といえる。

尾道ブルワリーは、1894年築の古蔵を活用し、地元の果物などを使った「メイドイン尾道」のクラフトビールを造るブルワリー。尾道で出来たてビールを提供する拠点として、店頭に加えてオンライン販売も展開している。ライムゴーゼもその導線で購入可能で、現地に行けないファンにも手が届く。

塩と柑橘が主役のゴーゼは、気温が上がる時期ほど魅力が増すスタイル。地域素材の文脈まで含めて楽しみたい人に、今季の注目銘柄になりそうだ。