コエドブルワリーとビオック、麹菌糖化で地産クラフトビール開発へ
埼玉のコエドブルワリー(株式会社協同商事)は2026年3月5日、種麹メーカーのビオックと共同で、酵素を活用した糖化技術による地産クラフトビール開発プロジェクトの発足を発表した。麦芽化していない大麦の活用を軸に、地域農業と醸造の新しい接続を目指す取り組みだ。
COEDO×Bio'cが取り組む「糖化」の再設計
今回の発表の核は、麹菌の酵素で大麦デンプンを糖化し、麦汁をつくるというアプローチにある。従来のビール醸造が依存してきた大規模な製麦モデルだけに頼らず、国産原料を生かした新たな醸造エコシステムを構想している点が特徴だ。
コエドブルワリーによると、国内で国産大麦(麦芽)を主原料にした酒類醸造は1割以下にとどまるという。そこで本プロジェクトでは、ビオックが長年蓄積してきた麹菌の知見を応用。ビールの嗜好に合わせた麹菌を選定し、麦芽化していない大麦を糖化して麦汁を生成する検証を進めている。
2025年11月から試験醸造、レギュラーレシピで再現性を確認
実務面では、2025年11月から試験醸造を開始。COEDOのレギュラーアイテムのレシピをベースに、再現性と評価を重ねている段階だ。単発の実験に終わらせず、既存の品質基準に照らして磨き込む姿勢がうかがえる。
また、2026年3月7日に開催された「Canvas DEMODAY 2025」では、コエドブルワリーとビオックの代表が登壇し、プロジェクトの進捗と展望を共有。会場では試験醸造品のテイスティングも行われた。
埼玉・川越を原点にしてきたCOEDOの延長線上にある挑戦
コエドブルワリーの母体である協同商事は、川越の農と向き合いながら歩んできた背景を持つ。地域の農法や作物に目を向け、ビールの価値へ接続してきた歴史を踏まえると、今回の「地産クラフトビール」構想は唐突な新機軸ではなく、同社の文脈を現代的に拡張する挑戦といえる。
耕作放棄地の活用、一次産業の担い手不足への対応、日本の発酵文化の象徴である麹菌の新用途開拓。これらを同時に射程へ入れた本プロジェクトは、ビールファンにとっても「次に飲む一杯」の背景をより面白くするニュースになりそうだ。
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