万珍醸造が新たに送り出したのは、AWA HANA(泡花)。メキシコの Falling Piano Brewing Co. とのコラボレーションで仕込まれた、クリームIPA with açaí and berry だ。アルコール度数は7.5%、IBUは50。オンライン販売も案内されており、同ブルワリーの新しい取り組みとして存在感のある1本になっている。

今回の仕込みは、東京で行われた FOOD TO FUJI のタイミングで実現したという。両者はアイデアを重ねる中で、メキシコに渡った日本人庭師・松本辰五郎と、ハカランダの花がつくる風景に着想を得た。そこから「紫」を軸にした表現へと話が進み、アサイーとミックスベリーを加える方向に着地した。単なるフルーツ入りの新作ではなく、背景にストーリーを持たせたコラボという点が面白い。

仕上がりは、ほんのり紫がかった液色に、ホッピーな印象をしっかり残した液体。口当たりを特徴づけつつも、重たくなりすぎないよう調整されている。ドライホップには Mosaic を主軸に Strata を加え、ベリー感をより引き立てたという。オーツ麦由来の要素は前面に出しすぎず、飲み口とのバランスを取った設計だ。

万珍醸造は、山梨県北杜市で2022年に元三脚工場をリノベーションしてオープンしたブルワリー。飲みやすさを重視し、日常の食事や気分に寄り添うビールを継続的に仕込んできた。北杜の自然や地域のつながりを背景にしながら、季節素材やコラボレーションも積極的に取り入れている。今回のAWA HANAは、その姿勢が海外ブルワリーとの協業によってさらに広がった形といえる。